⚫︎” You” ー小山ケイの「言葉の思い出」

高校生のとき、私は英語の授業が大好きでした。
中学生のときからもともと好きだったのですが、いま思えば、高校生のときに英語の授業が好きだったのは教えてくれる先生を気に入っていたからだと思います。
自分の父親よりも年上の男の先生で、明るく裏表がなく、そしてときにはさらりとツッコミをいれてくる。そこに嫌味がないので生徒には人気がありました。
その先生が何かの拍子にご自身の昔の話を聞かせて下さいました。”You”という発音や表現についてです。
私は”You”は”You”でしかなく「あなた」という意味しかない、と思っていたのですが、先生の体験はこんな感じでした。
「戦後直後、通訳として米軍関係の仕事をしたことがある。そのときに、相手のNativeが私にYou”と呼びかけて話をした。あとから別のNativeが来て、『さっきのあいつの態度はすまなかった。あんな言い方であなたを”You”と呼ぶなんて』と言ったんだ。それで”Youという言いかたにもいろんろあるんだ、と知ったんだ。侮辱するような呼び方だったんだろうね」
先生はクリスチャンだったせいが、恨みつらみで話を聞かせてくれたのではなく、言葉の奥深さに驚いて話をしてくれたかのようでした。
もちろん、私にとってもそれは同じです。
先生が教えてくれる数々の「英語」から得る新たな発見は、いまに至るまで、言葉の面白さを知るモチベーションとなって続いているのです。
⚫︎”You are beautiful”の発音。

1 ユゥ
2 「R」
3 ビュゥ
4 「Li」(米国英語)
5「Fo」
6 「L」